kintoneのルックアップで取得した住所などがグレーアウトし、「このレコードだけ少し修正したいのに入力できない」と困ることはありませんか。条件付き入力制御・書式変更プラグインの「編集可能にする」を使うと、条件に一致する場合に、ルックアップのコピー先項目を編集できるように設定できます。
この記事では、顧客マスターから取得した送付先住所を、今回の依頼だけ補正する設定例を紹介します。例に使う項目名・値は説明用です。参照元へ変更を反映する機能や、過去の値を再取得から保護する機能とは異なります。
ルックアップのコピー先が編集できない理由を確認する
まず、入力できない項目がルックアップの「ほかのフィールドのコピー」で指定されているかを、アプリ管理者に確認します。灰色に見える項目でも、計算による自動算出、アクセス権、他のカスタマイズによる編集制御など、理由は一つではありません。
このプラグインは画面上の編集可否を条件で切り替える機能です。編集権限のない項目、計算フィールド、自動計算の文字列など、kintone標準の制約は解除しません。公式APIにも、編集権限がない項目や編集可否の変更に非対応の項目が示されています。詳しくは公式ドキュメント「イベントオブジェクトで実行できる操作」をご確認ください。
設定例:今回の送付先だけ修正する
顧客マスターの住所は会社の基本情報として残し、依頼レコードにコピーした送付先住所だけを補正する例です。マスターの情報そのものが誤っている場合は、マスターを修正する運用と分けてください。
| 用意する項目 | 役割 |
|---|---|
| 顧客コード(ルックアップ) | 顧客マスターから対象の顧客情報を取得する。 |
| 送付先住所(文字列) | ルックアップのコピー先。今回の依頼で補正する対象。 |
| 送付先補正(ドロップダウン) | テーブル外に設置し、「通常」「今回のみ修正」を選ぶ。 |
| 補正理由(文字列・複数行など) | どのような理由で送付先を変えたかを残す。 |
編集できる状態にするだけで、変更理由が自動記録されるわけではありません。必要な記録項目と、誰が補正してよいかを先に決めます。
「編集可能にする」の設定手順
- 条件付き入力制御・書式変更プラグインの配布ZIPを取得し、kintoneシステム管理で読み込み、対象アプリに追加します。既に利用中の場合は、配布元とバージョンを確認して更新します。
- アプリのプラグイン設定を開き、[+ 条件設定を追加]から「送付先の個別補正」などの名前を付けます。
- 条件項目を「送付先補正」、条件を「一致する」、条件値を「今回のみ修正」にします。複数条件を使う場合はAND/ORも確認します。
- 対象項目にコピー先の「送付先住所」を選び、実行内容を[編集可能にする]にします。参照元マスターの住所や、ルックアップのキー項目と取り違えないようにしてください。
- 設定を保存し、アプリの設定画面で[アプリを更新]を実行します。
PC・モバイルのレコード追加・編集画面で使えます。一覧のインライン編集や、詳細画面をそのまま入力画面へ変える機能ではありません。テーブル内項目を対象にする場合は、テーブル外の条件に応じて、選択した列の全行へ適用します。行ごとに異なる条件を指定するものではありません。
取得・手修正・保存をこの順に確認する
- 検証用の依頼レコードを開き、顧客コードから住所を取得する。
- 送付先補正を「今回のみ修正」にし、コピー先の住所に入力できるかを確認する。
- 例として部屋番号や送付先の部署名を補い、補正理由を記入して保存する。
- 保存したレコードを開き直し、住所と理由が残っていることを確認する。
- 顧客マスターを別に開き、参照元の住所が変更されていないことも確認する。
加えて、条件に一致しない「通常」の場合と、PC・モバイルなど実際に使う端末でも試します。条件を外すと画面表示時の編集可否に戻る設計です。編集不可へ戻ることと、修正した値が元へ戻ることは別なので、条件を外した後の保存値も確認してください。
ルックアップを再取得すると手修正は上書きされる
コピー先を編集可能にしても、ルックアップのコピー処理は変わりません。手修正した後で再取得すると、参照元の値でコピー先が上書きされます。取得が終わってから補正する順番にし、再取得が必要になった場合は補正内容を再確認します。
自動ルックアップや参照先へ更新を反映する仕組みを併用している場合も、再取得のタイミングと対象項目を確認してください。個別補正値を必ず残したい場合は、コピー先とは別に「個別送付先」などの項目を持ち、帳票・通知・出力でどちらを使うかを設計する方法があります。
再取得と過去データの扱いは、マスター更新後も取引時点の値を残す設計で別に解説しています。コピー先を編集できるようにする設定だけでは、再取得による上書きを防げません。
編集できない場合の確認項目
- 実行内容:[編集不可]ではなく[編集可能にする]を選んでいるか。
- 対象項目:コピー先のフィールドコードと一致しているか。テーブル外の項目とテーブル内の列を取り違えていないか。
- 条件:条件値の表記、AND/OR、条件が未設定になっていないか。
- 設定反映:配布ZIPの更新、設定保存、アプリ更新が済んでいるか。
- 競合:同じ項目の[編集不可]条件にも一致していないか。このプラグインでは編集不可を優先します。他のプラグインやJavaScriptが同じ項目を制御していないかも確認します。
- 標準制約:利用者に編集権限があるか。計算・自動計算など、変更に非対応の項目ではないか。
無料プラグインの対応範囲を確認する
設定項目や配布ZIP、無料利用の条件は詳細ページにまとめています。無料利用時はKintacoの有償プランの案内バナーが表示されます。表示条件は詳細ページをご覧ください。コピー先を直接修正してよいか迷う場合は、保存したい値と再取得の流れを整理してから導入しましょう。

