kintoneでマスタ更新後も過去の見積単価を残すには?ルックアップ再取得の設計

商品マスタの価格を変更するとき、過去の見積単価まで更新してよいとは限りません。kintoneでは、最新のマスタ情報と、取引時点で合意した値を分けると運用を整理できます。

この記事では、見積を確定した後の値を残す考え方と、ルックアップを再取得する対象の決め方を紹介します。コピーと参照表示の基本はルックアップと関連レコードの違いで説明しています。

この記事は、再取得してもよい下書きと、値を残す確定済み見積を分ける業務設計に絞った記事です。再取得の設定画面や同期エラーの確認はルックアップの変更が反映されない場合の解説で扱います。

改定前後の見積単価を確認表にする

単価改定後の扱いは、プラグインの設定より先に業務ルールとして決めます。以下は商品A001が1,000円から1,200円へ変わる場合の設計例です。画面操作で得た実測結果ではなく、更新対象を決めるための表です。

単価改定時の設計例
見積の状態 改定前の採用単価 改定後に残したい単価 運用上の判断
合意済み・確定 1,000円 1,000円 再取得・同期の対象から外す
作成途中の下書き 1,000円 1,200円にするか担当者が判断 再取得する場合は値引き・合計も再確認
改定後の新規作成 未取得 1,200円 現行マスタから取得して内容を確認
ルックアップ先更新プラグインで更新対象レコードの条件を設定する画面
更新対象の条件を指定する既存の設定画面です。画像の条件は受注予定日の例であり、上の見積状態による除外を設定済みの画面ではありません。(クリックで拡大できます)

マスタを変えただけで、すべてのコピー済み単価が自動的に変わるわけではありません。検証時は確定済みと下書きを1件ずつ用意し、マスタ変更前・変更後・再取得後の単価と見積合計を記録します。自動同期を使う場合も、更新対象の条件と実行確認の設定を合わせて見直してください。

最新の価格と、見積に採用した価格を区別する

例えば商品コードA001のマスタ単価が1,000円から1,200円になった場合、新しい見積には1,200円を使い、既に合意した見積は1,000円を残したい運用があります。

このとき、商品マスタは現在の価格を管理し、見積側には採用した単価を持たせます。案件ごとの値引きや個別合意がある場合も、マスタ値と取引の値を同一視しないことが重要です。ここで示す金額は設計を説明する例です。

標準ルックアップはマスタ変更だけで一斉同期しない

ルックアップでコピーした値は、マスタを書き換えただけで保存済みの全レコードへ自動同期されるものではありません。取得操作のタイミングと、どの値を更新するかを決める必要があります。

そのため、過去の単価を残せる面がある一方、「住所を最新にそろえたい」などの要望では再取得の運用が必要になります。公式のアプリ間連携の説明も確認し、項目ごとに役割を分けます。

再取得するなら、確定前だけを対象にする

ルックアップ先更新プラグインを使う場合は、対象レコードを絞る追加条件を検討します。例えば業務用の「見積状態」が下書きのものだけを更新し、確定済みは対象外にする設計です。

このプラグインはルックアップを再取得するため、そのルックアップで設定した他のコピー項目も更新対象になります。「単価だけが変わる」と考えず、住所や商品名などへの影響も確認してください。

個別に修正した単価を残すべき場合は、一律の再取得に向かないことがあります。対象条件と更新の確認を決め、まず少数のレコードで試します。設定の基本はマスタ変更後の再取得ガイドをご覧ください。

AND/ORの条件を具体例で確認する

「同じ商品コード」かつ「下書き」が目的なら、下書き以外を除ける条件にします。「下書きまたは未送付」などの条件を追加するときも、何を残したいかから判断します。

商品コードが一致しないレコードや、確定済みのレコードもテストへ含めます。対象に入ったものだけでなく、更新しないものが本当に残るかを確認することが大切です。状態の表示名と実際のフィールド種類・コードも確認してください。

商品コードの変更や明細の再取得に注意する

照合キーを変えると、古いキーを持つ見積が見つからなくなる場合があります。商品コードを変える前に、保存済みレコードの扱いを決めます。名称の変更とキーの変更を同じ作業にしないようにしてください。

また、テーブルルックアップで見積テンプレートの明細を取り込む場合、既存の取得先テーブルを置き換えます。単価を調整した後に再取得すると、その調整が残らない可能性があります。テーブル明細取得の注意点を確認し、利用者へ取得する順番を案内します。

検証では「変える見積」と「残す見積」を用意

  1. 下書きの見積と確定済みの見積を用意する。
  2. 両方が参照している検証用マスタの単価を変更する。
  3. 再取得対象と対象外の件数・値を確認する。
  4. 個別値引き、空欄、参照権限の違いがある場合も試す。
  5. 出力する見積書の金額が、保存された値と一致するか確認する。

最新の値へそろえることと、過去の取引内容を残すことは異なる目的です。自動更新の範囲を決める前に、どのレコードを変更しないかを業務ルールとして残してください。

期待する更新結果を金額と状態で確認する

例えば商品A001の単価を1,000円から1,200円へ変更する検証では、数量2の下書き見積と確定済み見積を用意します。下書きを更新対象、確定済みを対象外にする設計なら、期待する単価はそれぞれ1,200円と1,000円、単純な数量×単価の金額は2,400円と2,000円です。税・値引きは含まない説明用の例で、実機で計測した結果ではありません。

更新後は、下書きが変わることに加えて、対象外の確定済み見積が変わっていないことも確認します。個別値引きの単価を手入力している場合は、同じルックアップの再取得で何がコピーされるかを確認してください。コピー項目のうち単価だけを自動で保護する仕組みではありません。

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